【初心者のための護身術ガイド】現実的に使えるセルフディフェンスの始め方

護身術に興味を持つ理由は人それぞれですが、共通しているのは「自分の身を守りたい」という気持ちです。

・夜道が不安
・もしもの時に何もできないのが怖い
・力に自信がない
・家族や子どもを守れるようになりたい

こうした思いを抱えているかもしれません。

護身術は“戦うための技術”ではありません。“危険を避ける技術”であり、“逃げるための技術”です。
そして、最も大事なのは「理解→習得→実戦的な使い方」という順序を踏むこと。
護身術は本質的に「知識50%・技術40%・心構え10%」で成り立っています。

ただ構えたりパンチを打てばよいわけではなく、
・相手を刺激しない距離感
・危険の早期察知
・逃げ道の確保
・声かけ(威嚇の可視化)
など、総合的な判断力が強く関わります。

あなたが護身術を習う理由を明確にすれば、習うべき技術や教室の方向性も自然に見えてきます。
是非、参考にしてください!

もくじ

護身術にはどんな種類がある?目的別に選ぶ

護身術といっても、武道・格闘技のように多種多様です。
ここでは「護身目的で本当に役立つジャンル」を整理します。

① 柔術・合気道系

特徴:関節技・体捌きを重視し、力に頼らない。
メリット:体格差があっても動き方次第で対処可能。
デメリット:実戦的に使えるようになるには時間が必要。

柔術は相手の力を利用し、体重移動やバランス崩しが要。
女性や高齢者でも習得しやすいカテゴリーです。

② キックボクシング・ボクシング系

特徴:打撃中心でスタミナ・瞬発力が身につく。
メリット:危機が迫った瞬間に距離を作りやすい。
デメリット:過度に打撃主体になると護身から離れがち。

「逃げるために一撃を使う」という位置付けが正しい使い方です。

③ 護身術専門(クラヴマガ・MMA系セルフディフェンス)

特徴:現実の暴力・犯罪を前提に体系化されている。
メリット:即効性が高い。“使える技”に最短で届く。
デメリット:スパーリングはややハード。

クラヴマガなどは、危険察知・対処・逃走まで一つの流れとして学べ、初心者の人気も高いジャンルです。

④ 女性向け護身術・キッズ護身術

特徴:日常で想定されるシチュエーションに特化。
メリット:力に頼らず、身の守り方を習得できる。
デメリット:高度技術までは学ばない場合もある。

このように「自分の状況に最適な護身術」を選ぶことが最重要です。

初心者がまず身につけるべき“現実的な護身術”

護身術は「殴る・蹴る」だけではありません。
むしろ使う頻度が高いのは、次の5つです。

①危険察知能力(最も重要)

相手との距離、周囲の死角、怪しい行動の見抜き方—
これを学ぶだけで、危険を7割以上避けられます。
道場によっては「護身心理学」などとして教えるところもあります。

② 距離の取り方・立ち位置

実戦では「上手に距離を取れる人」が強い。
・腕一本分の距離をキープ
・背後を取られない位置取り
・逃げ道を確保する立ち位置
これだけでも安全度が大きく変わります。

③ 抜け出す技術(握られた時の対処)

手首を掴まれる
腕を掴まれる
背後から抱きつかれる
こうした“よくある形”を想定して練習するのが護身術の基本です。

④ 押し返しや回避動作

相手を倒す必要はないので、
・押して距離を作る
・ヒザを軽く当てて退路を確保
・一瞬のフェイントで間合いを生む
こうした“逃げるための技”が中心になります。

⑤ 逃走技術

護身術の最終目的は必ず「逃げること」。
教室では、走り方、逃げ道の作り方、背中を向けるタイミングまで、セットで教えるところもあります。


どこで護身術を習うべき?教室・道場の選び方

ここでは、初心者が失敗しないための“道場の選び方”を解説します。

① 「護身」をメインにしているか

格闘技ジムは強さを目指す場所が多く、護身を目的とする場合と方向性が異なります。
HPや見学で「護身目的の初心者が多いか」を必ず確認してください

② インストラクターの経験

格闘技経験だけでなく、警察・警備・防犯講座の知識を持つ指導者だと、現実的なアドバイスが強いです。
「ただ強い人」ではなく「教え方が上手い人」を選びましょう。

③ 通いやすさ

護身術は“継続”が命。
週1ペースで半年続けるだけでも、反射神経・回避能力・距離感は目に見えて上達します。
通いやすい立地、無理のない料金設定は大切です。

④ レッスンの雰囲気

・初心者比率
・女性の参加度
・年齢層の広さ
・ハードすぎないか
これらが合っていないと継続できません。

⑤ 体験レッスンは必須

道場選びは「相性が9割」です。
必ず体験し、
・説明の分かりやすさ
・危険への配慮
・技の現実性
・質問しやすさ
をチェックしてください。

護身術を習うメリット(続けるほど変わる)

護身術は、技術以上に“生活の質”に影響します。

・夜道の安心感が変わる
・姿勢が整い、見た目の雰囲気が良くなる
・ストレスが減る
・判断力が上がり、トラブルを回避しやすくなる
・自分の体を大切にするようになる
・「守れる自分」という自信がつく

これらは3カ月〜半年で確実に体感できます。

護身術を習う上での注意点


護身術は「使わないことが成功」です。
以下の点は必ず覚えておいてください。

・反撃は最小限、逃げることが最優先
・力の使い方は慎重に
・武器利用系の技は安易に練習しない
・“実戦最強”を名乗るジムは警戒
・危険な練習をさせる教室はやめる
・相手を倒すより距離を取ることを優先

安心して学べる環境こそ、最も大切です。

習わずに“独学で身につけたい”人向け:役立つ護身術テクニック一覧

「まずは家でできる範囲で備えたい」「道場に通う前に知識をつけたい」という人のために、危険回避・距離作り・脱出・逃走に絞った“実用寄りの護身動作”をまとめました。


周囲の安全確認(スキャンニング)

最も簡単で、最も犯罪抑止効果が高い護身術です。

・歩くときに左右・背後を自然に確認する
・夜道では建物の影や車の陰など「死角」に注意を払う
・視線を向けるだけで「この人は警戒している」と伝わり、ターゲットにされにくくなる
・スマホ歩きは絶対に避ける

日常でできる“危険に近づかないための技”です。


距離をつくるステップワーク

いきなり掴まれたりしないように“間合いをキープ”するための動きです。

・相手が近づいてきたら半歩下がるクセをつける
・真正面に立たず、身体を少し斜めにするだけで掴まれにくくなる
・左右どちらにも動けるように軽いスタンスで立つ
・靴の底が滑る場所の歩き方も把握しておく

護身術は「戦う」よりも「距離を保つ」ほうが重要です。


手首を掴まれたときの基本脱出(回転抜き)

護身術の基礎中の基礎。
難易度が低く、力が弱い人でも成功しやすい動きです。

・相手に手首を掴まれたら“親指側の弱点方向”に引く
・力で振り払うのではなく、手首を小さく回しながらスッと抜く
・抜けた直後に必ず距離を取る
・無理に反撃しない(逃げが最優先)

一度覚えるとかなり実用的です。


肩を掴まれたときの離脱(体を半回転)

肩をガッと掴まれたときに使える、簡易的な脱出法。

・肩を掴まれた側の足を半歩下げる
・身体を外側に半回転させて掴まれた腕の重心をズラす
・腕を引き抜くと同時に後方へ距離を作る
・そのまま逃走ルートを確保する

格闘技経験がなくても実践できます。


大声を出す・助けを求める

最も結果が出る“実用技”。

・「やめて!」「助けてください!」を迷わず叫ぶ
・声は長く出すよりも、短く強く
・叫ぶ=周囲を巻き込む=加害側がリスクを感じる
・防犯ブザーでも代用可能

多くのトラブルは、“声を出せるだけで”回避できることが統計的にも多いです。


走って逃げる判断を即断する

最強の護身術。
どんなテクニックよりも「逃げる」がもっとも効果的です。

・逃走方向を常に意識して歩く(裏道・人通りの多い道)
・階段よりも平地を選ぶ
・荷物は捨ててもいい(命の方が優先)
・逃げた先で必ず人目のある場所へ避難する

自前で練習する護身術の“最重要項目”です。


近づけさせない「両手のバリア」

相手が距離を詰めてきた瞬間の初動として非常に有効。

・胸の前に両手を上げる
・指を軽く開いて“壁”を作る
・「ちょっと待って!」と言葉を添えるとより効果的
・攻撃の意思ではなく“拒否の意思表示”として合法的で安全

特に女性におすすめのテクニックです。


リュック・バッグを盾として使う

身近な物を活用した“簡易的な防御”。

・前に構えて距離を作る
・間合いをキープしながら後退する
・振り回さず、あくまで防御と空間確保に徹する
・相手とのクッションになるだけでも効果大

戦うのではなく、“距離を保つツール”と捉えるのがポイント。


ついて来られた時の対処(反対側へ渡る・店に入る)

つけられている気がした時に使える安全行動。

・不自然な足音や視線を感じたら、すぐに道路の反対側に渡る
・コンビニ・ドラッグストアなど明るい場所に避難
・誰かと電話しながら歩く
・自宅にまっすぐ帰らず、人目がある場所を選ぶ

技というより、「危険を断ち切る行動術」です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 女性でも護身術は本当に身につきますか?

A. はい、十分可能です。護身術は力よりも「体の使い方」「距離感」「逃げ方」が中心のため、女性の受講者は非常に多いです。

Q2. 年齢が高くても始められますか?

A. 50代・60代で始める方も珍しくありません。力を使わない護身術なら関節に負担も少なく、安全に学べます。

Q3. 週1回でも効果はありますか?

A. 週1でも十分です。半年継続すると、反応速度・姿勢・危険察知の感度が大きく変化します。

Q4. 格闘技と護身術は何が違いますか?

A. 格闘技は「試合で勝つための技術」、護身術は「危険から逃げるための技術」です。目的が異なるので、習う内容も違います。

Q5. どの護身術を選べばいいか迷っています。

A. 目的で選ぶのが正解です。
・実戦的で即効性 → クラヴマガ系
・力に頼らない→柔術系
・体力を上げたい→ボクシング系
・日常想定や女性向け→護身術専門クラス
迷ったら、まずは護身専門クラスの体験がおすすめです。

Q6. 本当に危険な場面で使えるようになりますか?

A. 継続すれば「危機察知→距離→逃走」の流れを反射的に行えるようになります。ただし“相手を倒す”のではなく、“逃げる”ことが成功と心得てください。

Q7. 護身術には筋肉も必要ですか?

A.必須とは言えませんが、瞬発力、体幹、下半身筋力は最低限必要です。
筋トレをすれば、反応速度など危険回避に役立ちますので実施することをおすすめします。


まとめ

護身術は、決して難しいものではありません。
正しい場所で学び、継続すれば、誰でも身につけられます。
そして、それは日々の安心感や生活の質まで変えてくれるもの。

「自分を守れる自分でいたい」
この気持ちがあるなら、もう準備は整っています。

まずは、あなたに合った教室を一つ、体験してみてください。
今日の一歩が、未来の安心につながります。

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