肩の関節は、接地面が浅く非常に不安定な関節と言われています。
その為、まわりの靭帯や筋肉に頼った構造になっており、肩を動かす動作では大きな動きが出来る反面、バランスよく筋肉等が働かないとスムーズな動きが出来ず、怪我をしてしまうリスクもあります。
また、カッコよく理想的なボディラインを作る為には、この「肩の筋肉」のトレーニングは必要不可欠で、特に三角筋のトレーニングが重要です。
本記事では
・肩周りの筋肉それぞれの機能と役割
・三角筋の効果的なトレーニング方法
についてご紹介していきたいと思います。
肩周辺の筋肉の機能を理解し、ボリューム満点のメロン肩を目指しましょう!
肩の筋肉は、インナーマッスルとアウターマッスルとに分けられ、それぞれ肩関節の固定や肩関節の動きを安定させる役割と肩関節の保護や肩関節を大きく動かす役割があります。
次にこれらの筋肉が肩のどのような位置にあり、どのような動きに関連するかをご紹介します。
肩のインナーマッスル
棘上筋(きょくじょうきん):
この筋肉に炎症が起こったり固くなったりすると、いわゆる五十肩や腱板断裂といった病気につながる危険があります。肩甲骨の上角のやや下から上腕骨にかけて繋がった筋肉です。肩関節の外転(真横に腕を上げる)で働きます。棘上筋が硬くなってしまうと肩関節の安定性が低下し、スムーズな動きが出来なくなり、痛みを発症する事があります。また、他のインナーマッスルより断裂のリスクが高い筋肉でもあります。
棘下筋(きょくかきん) :
棘上筋の下にあり、肩甲骨の内側から上腕骨にかけて繋がった筋肉です。肩関節の外転・外旋(腕を外側に捻じる)と水平伸展(水平に腕を広げる)で働きます。また、肩の関節の後方の安定性に関係します。棘上筋が弱くなったり、硬くなったりすると関節の位置がずれ易くなり痛みの原因になります。
小円筋(しょうえんきん) :
棘下筋の下に位置し棘下筋に一部覆われています。肩甲骨の内側から上腕骨にかけて繋がった筋肉です。肩関節の外旋・伸展(後ろに上げる)・水平伸展で働きます。棘下筋とほとんど同じような働きで、肩関節を安定させます。
肩甲下筋(けんこうかきん):
他のインナーマッスルと違い肩甲下筋は、肩関節の前側にある筋肉です。肩甲骨と肋骨の間に位置し、肩甲骨から上腕骨の間で大きく広がるように繋がっています。肩関節の内旋(腕を内側に捻じる動き)・内転(腕を内側に上げる)・水平屈曲(水平に腕を閉じる)働きがあります。他のインナーマッスルと同様に肩関節の後方への安定性に関係します。
上記のインナーマッスルは、動作をスムーズに行う為に必要な縁の下の力持ち的な存在です。いずれかが硬くなったり、損傷したりすると痛みから頭を洗う・洋服を着る・車に乗る時にシートベルトを着けるといった動作が行えず、生活動作にも支障が出ます。その為、トレーニング時の怪我など痛みの予防でアウターマッスルと共に動かす事が必要です。
肩のアウターマッスル
三角筋:
肩を覆っている大きな筋肉です。「メロン肩」を創るうえで一番重要な筋肉になります。主に前部・中部・後部と分けられ、それぞれ働きも異なります。前部は、肩関節の屈曲(腕を前に上げる)・水平内転・内旋で働きます。中部は、肩関節の外転で働きます。後部は、肩関節の伸展・水平外転で働きます。それぞれの部位を選択的に動かすとよりボリューム満点の肩に近づけます。
僧帽筋(そうぼうきん):
カラダの背面にある筋肉で、首の根本から肩甲骨を介して、上腕骨や背中の中央まで広がるように繋がっている大きな筋肉です。たくましい大きな背中を創る為に重要な筋肉です。主に上部(首から肩にかけて)・中部(胸の後ろ、肩から背中の中央)・下部(胸より低い位置、背中と腰の間)と分かられ、それぞれ働きも異なります。上部は、肩の挙上(肩をすくめる動き)で働きます。中部は、水平外転で働きます。下部は、中部とほぼ同じ働きです。また、肩こりの原因となる筋肉でもありトレーニングを行う事で肩こりの予防に繋がります。その他、肩関節の動き以外にも姿勢の維持にも関係し、トレーニングをする事で猫背の予防など奇麗なボディラインも創る事が出来ます。
広背筋:
僧帽筋と同様にカラダの背面にある筋肉です。腰と背中の中央部から脇の下を通って上腕骨まで繋がっています。たくましく広い背中を創る為にこの筋肉も重要です。主に上部と下部に分けられます。 肩関節の内転・伸展・内旋・水平伸展で働き、体幹の伸展・側屈・回旋でも働きます。僧帽筋と同様に姿勢の維持に大事な筋肉であり、トレーニングを行う事で肩こりだけでなく、腰痛の予防にも繋がります。また、背中のボディメイクでは重要になる部位の一つです。
大胸筋:
カラダの前側にある胸の筋肉です。大きな筋肉で、胸の中央から上腕骨にかけて繋がっています。広背筋と同様にたくましい胸の筋肉はボディメイクでは鉄板の部位です。大胸筋も主に上部・中部・下部に分けられます。 肩関節の内旋・水平内転・屈曲・外転で働きます。他の筋肉と同様に姿勢にも関係します。また、トレーニング効果を実感しやすい筋肉でもあり、ボディラインにメリハリが出ます。
以上のようなインナーマッスルやアウターマッスルをバランスよくトレーニングする事によってトレーニングでの怪我や理想のボディラインが手に入れる事が出来ます。
今回は、三角筋をメインに自重トレーニングとダンベルトレーニングをご紹介します。
三角筋のトレーニングを行う前に意識する点をお伝えします!
・自重トレーニング
- パイクプレス(三角筋前部・中部)
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1.両手を肩幅に開いて床につき、両足を揃えた状態で出来るだけお尻を天井に向かって突き上げます。
2.腕立て伏せを行うように両手の間に頭を付けるように両腕を曲げ伸ばしする。
回数:8~12回×3セットが目安
- ヒンズープッシュアップ(三角筋前部・中部・後部)
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1.両手を肩幅よりもやや広めに開いて床につき、足は肩幅に開いて手と足の距離はやや近い状態で、お尻を天井に向かって突き上げます。
2.両手の間を頭・胸・お腹の順番で通過するようにカラダをしならせるように腕を曲げ、腕を伸ばしながらカラダも伸ばし、元の姿勢に戻ります。
回数:8~12回×3セットが目安 - プッシュザグランド(三角筋後部)
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1.仰向けに寝て腕を外側に開いて、肩と肘が一直線になるように置く。
2.両腕で床を押しながら上体を起こします。
3.肘・肩の順番で腕を着けながら上体を下ろします。
回数:8~12回×3セットが目安
・ダンベルトレーニング
ダンベルトレーニングは選択的なトレーニングが出来る方法です。前部・中部・後部と三角筋のボリュームがほしい所をピンポイントに鍛えられます。
- フロントレイズ(三角筋前部)
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1.ダンベルを2セット準備して、両手に持ち足を肩幅に開いて立ちます。
2.肘を伸ばし手の甲を正面に向けた状態で、両手あごの高さまで正面に上げ、下ろします。
回数:8~12回×3セット
- サイドレイズ(三角筋中部)
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1.ダンベルを2セット準備して、両手に持ち足を肩幅に開いて立ちます。
2.肘を伸ばし手の甲が外側に向いた状態で、両腕を肩の高さまで外側に上げ、下ろします。
回数:8~12回×3セット
- ベントオーバーサイドレイズ
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1.ダンベルを2セット準備して、両手に持ち足を肩幅に開いて立ちます。
2.上体を前傾させて、両膝を少し曲げ両腕を下にぶら下げます。
3.手の甲を外側に向けて、姿勢を維持しながら両腕を外側に肩と同じ高さまで上げ、おろします・
以上のようなトレーニングを環境や体力に合わせて組み合わせながら行うと良いです。
また、怪我に気を付けて正しいフォームで負荷や回数も調整しながら行うと理想のボディラインに近づけます。
・肩関節は自由な動きが出来るものの不安定な筋肉です。その為、
インナーマッスルとアウターマッスルをバランスよくトレーニングする事が大事です。
・トレーニング中は、三角筋を意識する事、三角筋の全体を満遍なく動かす事、適した負荷・
回数・正しいフォームでトレーニングを行う事。
以上の内容に気を着けながら様々な種目に取り組んでみましょう。
何より継続する事がトレーニング効果を引き出す一番の大事な要素と思います。休息を入れながら、筋肉の長回復を促しつつトレーニングを進めていきましょう。「目指せ!メロン肩」